授業が終わる21:00過ぎ、塾に一本の電話がありました。
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『以前、そちらの塾でお世話になっていた○○○○です。覚えておられますか?』
『○○くんやろ、覚えてるに決まってるやん!😄』
当塾が開校した5年前、塾生第2号として中2で入塾してくれた男の子でした。
『久しぶりやなあ、元気にしてるかあ!😄』
『はい、元気にやってます。先生の方はいかがですか?』
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実はこの男の子、中2の後半に起立性調節障害が原因で学校に行けなくなったんです。
中3の夏を過ぎても体調は戻らず、結局高校受験は断念しました。
お母さまとも何度かお話をし、塾で使っている「ICT教材すらら」を利用して「出席扱い」にすることができないか学校ともかけ合ってもらいました。ですが、学校側もまだその辺りの前例や経験がなく、叶いませんでした。
その後、通信制の高校に行き、この度卒業できるまでに至ったとのことでした。
そんな○○くんが久々に塾に電話してきた理由は次の通りでした。
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『先生、僕、英検2級の一次に合格したんです。
それで、二次の面接の対策をしたいんですが、
先生に面接官の役をお願いしてもいいですか?
こんなことお願いできるの先生しかいなくて・・・』
私は、即、『いいよお!』と答えました。
『英検2級の一次受かったなんて、すごいやん!!😆』
『ありがとうございます』と○○くん。
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数日後、久々に顔を見せてくれた18歳になった○○くんは、顔色も良くとても元気そうでした。
少し雑談をして、早速英検2級の面接の練習をしました。
『発音、上手やん!
しかもしっかり英語で受け答えできてるやん!』
思わず私は、
『いやあ、これだけできてれば、二次も合格できると思うよ!』
その成長ぶりに、私はただただ驚きましたし、嬉しかったのです😆
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1時間の面接練習を終え、再び雑談。
『で、最近は体調の方はどうなん?』
『いやあ、かなり良くなりました。
あの頃のしんどさに比べたら、今はたいていのことがOKです』
『良かったなあ』
『はい、あの頃のしんどさは何だったんだろうって今なら思います』
『そうかあ、じゃあ、あれはあれで良い経験をしたってことかな?』
『そうですねえ』
『きっとそうやで
そういう経験をした○○くんやからこそ、他の人に語ってあげることもできるやろ?
あの時はしんどかったやろうけど、あの経験をしたことで○○くんは一つ大きく成長できたんじゃない?』
『そうですかね』
そう答えた○○くんは笑顔でした😄
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後日、改めて体調が良くなった要因を聞いてみると、
『しばらくは心の中がパッとしなかったんです。
でも、必要以上には落ち込まないように心がけました。
それよりも、気がついたら良くなってた、って感じです😌』
笑顔で話してくれた○○くんですが、
やはりそこに至るまでには、
焦り、葛藤、周りからの助言と苦言、気づきなど様々なことがあったようです。
そして、日々自分と向き合っていくうちに感じたことが以下のとおりだったそうです。
『このままいつまでも周りの環境や病気のせいにしている場合じゃない、
”自分の意思” で動かなければ!
多少無理をしてでも ”全て自己責任” の上で行動しなければ!』
そして○○くんは、それを実践し始め、今も継続中とのことでした。
最後に○○くんは、
『先生は、苦労した経験を他の人に語ってあげられると言ってくださいましたが、正直僕の中ではまだ完結していないんです。今も試行錯誤で何が正解かはわかりません。
ですが、自分を見つめ直し生き方を改める機会として、起立性調節障害も不登校も無駄な経験ではなかったと、それだけは言えます』
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とても真面目な○○くん、今しっかりと前を向いて歩いています。
人に語ってあげられるほど自分は偉くないと答えた○○くんですが、
中2の頃とは比べものにならないくらい、立派に成長した姿を私は見た気がします。
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○○くんは英検2級に続き、公募で有名私立大学入試に挑戦するとのこと。
『また結果がわかったら連絡ちょうだいな!😄』
『ハイ、是非連絡させてもらいます!!😄』
何度も丁寧にお辞儀をし、○○くんは笑顔で塾を去っていきました✨
最後までお読みいただきありがとうございました。
神戸市中央区三宮町(三宮・元町)個別指導個人学習塾 「順進塾」
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